小説」」夢続くその先に

1話夢?!

 

目の前に花火が上がっていた。
辺りを見渡すと真っ黒で微かな光しか見えなかった。響き渡る音を立てながらまん丸な太陽が現れ辺りを照らした。
首を90度動かして確認した時、ふと浴衣を着た少女を見つけた。声をかけようと思った、思ったのに一つ結びをした少女は凛として髪をかきあげていたその姿に僕は引きつけられた。少女が消えたり明るく照らしたりを繰り返していた。
「綺麗だ」
 僕は近づこうと立ち上がったが、その少女はいなかったそれより、辺りに誰もいないことに気がついた。僕は気づいたのだ。


夢だ!!
「夢じゃないよ」現実に帰る前にふと囁やかれた


少年は体を起こした。
辺りは真っ黒ではなく一変して一つの電球がついていた。少年の家だ
「夢?」
16歳高校2年興梠こおろぎ 咲真さくま部活推薦でこの高校に通っている。そんなに早くはないが陸上短距離をしていた。そう、していただ。ローリング病という足を蹴る力がなくなる病気にならなければ苦しまなくてよかったんだ。俺には目標があったんだ。みんなで100×4で優勝するって

「そういえば夢の最後に声をかけられたような、夢は記憶が曖昧になるな」

6月末、あと少しで夏休みを迎える時期だ、夏休みと言ってもすることがないのが悩みなんだが。
机に座りながらサイドイッチを食べている咲真。時間は過ぎていくもの、あの夢を見て学校に着くまでに自分は何を考えながらここまで来たんだろうか未来、過去いや何も考えずにきた。
「よっ!」
久島 幹太くしまかんた同じクラスメイトだ。こいつに話すことはないと思った咲真だったがふと、あの夢のことを話した。
「おっ、かんちゃんいきなりだが質問な。夢で知らない女の子とかあったことある?」
幹太は腕を組みながら机に靠れついて話した。
「それは恋だ」咲真の顔に当たるくらい人差し指を近づけた。
咲真はため息をしながらお前に聞かなかったらよかったと思っていながら手を重ねて拝んだ。
「ごめん、それは違うわ。なんていうか俺には持っていない何かを持っているような女だったんだよな」
咲真は頭を抱え込んで机に頬をつけた。幹太は首を横に一度曲げてその場を立ち去った。


「おーいおーい」
誰かに呼ばれている。
「オーイオーーーーイ」
呼ばれているな。幹太か!?咲真は机に寝ていたようだ重たい体を起こす。辺りを見渡すと誰もいなかった。
「あれ?誰もいない?!それより太陽が沈んでる」椅子から立ち上がり窓を開けようとするが開かなかった。
「どうなってんだよ!」不意に後ろから声がした。咲真は窓に寄り添い…目の前にいたのは夢の中の女の子だった。